低温熱電子発電のためのシリコンナノギャップ電気伝導特性測定評価

半導体微細加工技術を用いて作製した単結晶シリコンMEMSデバイスの梁構造に(111)面でへき開破壊を用いて数μm角の均一でかつ原子レベルで平滑なナノギャップ構造を作製する技術を確立,電気伝導特性を測定してナノギャップ間の電子放出を確認した.この技術は低温度差で動作可能な熱電子発電への応用が期待される.

ナノギャップ創製デバイス

単結晶シリコンの(111)面のへき開面をギャップ電極とするため,破壊により平滑かつ均一なギャップを創製する.へき開には一体化した熱膨張アクチュエータを用いた.

電子放出特性の測定

ギャップへの電圧印加による電流を測定した.5V以上の領域でFowler–Nordheim電界電子放出に一致する特性を示しており,ナノギャップ間における電界電子放出を確認した.

発表・論文

  1. A. Banerjee, Y. Hirai, T. Tsuchiya, O. Tabata, “Measurement and potential barrier evolution analysis of cold field emission in fracture fabricated Si nanogap,” Japanese Journal of Applied Physics, Vol. 56, No. 6S1, 2017, 06GF06.

  2. 【招待講演】T. Tsuchiya, MEMS Based Test-Stand Device for “Nano” Characterization, The 11th IEEE International Conference on Nano/Micro Engineered and Molecular Systems (IEEE-NEMS 2016), Sendai & Matsushima-bay, Miyagi, Japan (17-20 Apr. 2016), B4L-A-1

報告書

謝辞

本研究は,公共財団法人JKAの平成28年度自転車等機械工業振興事業に関する補助(28-107)を受けて実施された.

2017年3月21日Nanogap,Research