超小型人工衛星用イオン液体エレクトロスプレースラスタの開発

超小型人工衛星に搭載可能な新たなスラスタとしてイオン液体エレクトロスプレースラスタ(ILEST)が注目されている。ILESTでは推進剤としてイオン液体が用いられており、電圧を印加することでエミッタ先端からそれがイオンとして放出され、推力が得られる。エミッタには形状によっていくつかの種類が存在する。その一つのキャピラリ型エミッタと呼ばれるエミッタは内側にキャピラリをもち、毛細管現象によって受動的にイオン液体を先端へと供給することができる。

本研究では、レジストを材料としたnm,µmスケールでの3Dプリンティング技術を用いてキャピラリ型エミッタの作製を行った。その結果、直径2µm未満のキャピラリをもつエミッタの作製に成功した。キャピラリ直径が小さいほどイオン放出特性が改善されスラスタ効率が向上することが知られており、このキャピラリ型エミッタからは高いスラスタ効率が期待される。本研究は横浜国立大学との共同研究です。

Actuators,Fabrication,ResearchIonic liquid