学生の方へ

 ナノ・マイクロシステム工学研究室のウェブサイトへようこそ。当研究室は半導体微細加工技術(集積回路(IC)を製作する加工技術)とこれを用いて作られるマイクロスケールの機械の研究をしています。

 工学研究科マイクロエンジニアリング専攻に属し、教員は工学部物理工学科機械システム学コースの教育も担当しています。つまり、機械工学の分野です。その中で微小な機械をデザインし、創り、評価、解析する手法と実際に作ってみることをしています。

 いま、皆さんの周りには当研究室で研究している技術を用いた素子(デバイス)がたくさん使われています。その代表がスマートフォンです。スマートフォンにはたくさんの便利な機能が入っています。通話だけでなく、様々な情報、例えばその位置、運動、所有者の健康状態、周囲環境などの情報を収集し、これを所有者さらには一般と共有することでより多くの有益な情報をもたらしてくれます。これらの機能を実現しているのがスマートフォンに装備されているセンサ、アクチュエータです。温度、湿度、圧力、加速度、角速度、音、振動、光量、画像などを測定するセンサや、音、振動を発生するアクチュエータなどをミリメートルオーダに小型化して、低価格で供給しなければならず、これを実現したのがマイクロシステム、あるいはMEMS(微小電気機械システム, micro-electro-mechanical system)です。

 我々の研究はより小さく、より複雑なマイクロ機械をどこでも自由に使えるようにすることを目指しています。

 たとえば、ICに集積化される素子は基本的に平面に配置され、加工形状も2次元構造が多いのが現状ですが、様々な工夫を凝らして3次元構造を作る技術が提案されています。構造を複雑にできると、今までできなかった新しい機能を加えることができます。

 また、 マイクロシステムはポータブル機器で様々な環境で使われ、時に過酷な環境にさらされることもよくあります。このため、高い信頼性が求められています。

 さらに、最近ではナノスケール、原子スケールの機械、素子が注目されています。マイクロシステムは高い感度を有する各種センサが実現可能であり、これらをナノスケールの現象の測定に用いることが期待されています。

 これらの要求、期待に応えようというのが我々の研究室の研究テーマです。センサ、アクチュエータというのはそれ単体で様々な技術要素を含んだ複合体であり、機械工学の幅広い知識を必要としています。よりよいセンサやアクチュエータを実現しようとするならば、機械工学(機械力学、材料力学、熱力学、流体力学、制御工学、機械加工など)の知識をまんべんなく持ち、また、これらを実現する設計技術、製作技術を持たなければなりません。

 当研究室では、学生自らが考え、理解したうえで、設計、解析、製作を行い、形になったものを自分の手で評価するという手順を大切にしてもらいたいと考えています。このため、ほとんどのテーマが個人単位で、それぞれ学生に割り当てられています。これはある一つの見方だけで終わらずに幅広いものの見方を身に着けてほしいと考えているからです。ただし、研究の中でモノ作りが入るということは必ずしも成功が約束されているわけではないことも理解してほしいと思います。

 だらだらと書きましたが、今年はこのくらいにしたいと思います。ある意味でナノ/マイクロシステムの研究は最も機械工学らしい研究テーマになっていると思っています。学生さんには自分で考えて作り上げることを喜びを知ってもらえるとありがたいです。

2020年7月14日 ナノ/マイクロシステム工学分野 教授 土屋智由

注)学生と書きましたが、これから大学へ進む学生、学部学生向けです。

2020年2月23日