顕微ラマン分光を用いた単結晶シリコン微細構造の動的応力解析


振動する単結晶シリコン微細構造に負荷される瞬間ごとの応力の実験的な評価を目指しています。本研究は、単結晶シリコンを主な構成材料とするMEMS構造の機械的な信頼性評価・保証に役立つことが期待されます。応力評価には、顕微ラマン分光法を用います。静的な応力下では、微細構造のラマンスペクトルはFig.1のように変位します。振動する微細構造を同様に観測すると、観測中の変動するスペクトルが重ね合わされます(Fig.2)。瞬間ごとの応力を求めるためには、計算によりスペクトルを解析する方法と、振動の特定の位相に合わせて短いパルス状のレーザを照射し位相ごとの観測をする方法(Fig.3)があります。現在後者による観測に取り組んでいます。

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【研究発表】

  • A.Taniyama, Y.Hirai, K.Sugano, O.Tabata, T.Ikehara, T.Tsuchiya
    “Local Stress Analysis of Single Crystalline Silicon Resonator Using Micro Raman Spectroscopy” IEEE. MEMS2011. pp.449-452
  • 谷山 彰, 平井 義和, 菅野 公二, 田畑 修, 池原 毅, 土屋 智由
    “顕微ラマン分光を用いた単結晶シリコン振動子の局所応力解析”
    日本機械学会2010年度年次大会. T0302-2-2