原子磁気センサのためのガラスフリットリフローによる犠牲マイクロ流路気密封止


幅広い応用分野での活躍が期待される原子磁気センサで中心的役割を果たすセル(アルカリ金属蒸気と不活性ガスを気密封止したガラス容器)内の雰囲気制御性の向上を目指した新規なMEMS気密封止技術の確立に取り組んでいます.提案手法のコンセプトは,セル内で固体試料の化学反応によりアルカリ金属を生成する手法の利点に着目し,接合界面に形成したマイクロ流路を,不要な気体の排気,続く不活性ガスの封入に用いた後,低融点ガラスパウダーであるガラスフリットのリフロー(溶融)により封じきります.これまでに,排気,封入の効率を考慮したマイクロ流路の寸法設計,温度と圧力をパラメータとした実験による最適リフロー条件の導出,リフロー解析による適用可能なマイクロ流路断面形状の検証,提案封止手法で実現可能な気密性評価を行いました.今後は,提案手法を適用してカリウムセルを作製し,センサの評価を行う予定です.[ /ja]
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【主な研究発表】
[Journal Paper]

  • 辻本和也,平井義和,菅野公二,土屋智由,田畑修, “チップスケール原子磁気センサのためのガラスフリットリフローによる犠牲マイクロ流路気密封止技術“, 電気学会センサ・マイクロマシン部門誌, Vol. 131-E, No. 7, (2011) (Accepted).

[International Conference]

  • K. Tsujimoto, Y. Hirai, K. Sugano, T. Tsuchiya, and O. Tabata, “Sacrificial microchannel sealing by glass-frit reflow for chip scale atomic magnetometer”, MEMS2011, Cancun, Mexico, Jan. 23-27 2011, pp. 368-371.
  • K. Tsujimoto, Y. Hirai, K. Sugano, T. Tsuchiya, and O. Tabata, “Sacrificial Microchannel Sealing by Glass-Frit Reflow for Micromachined Alkali Gas-Filled Cell”, APCOT2010, Perth, Australia (July, 2010), pp.211.